ウィーン
9月29日
少し戻る形になるが、オーストリアのウィーンへ行く。元々は行く予定でなかったのに、ハンガリーからルーマニアへ行くのがちょっと面倒なためブルガリアから入るようにしたためだ。ここでシェンゲン協定国は終わりとなる。この次からは、毎回パスポートの出国入国の手続きが必要となる。
ここまで、約2か月旅している(観光か?)が、もともと、ヨーロッパに行ってみたいというのはあったが、どうしていかなければならないと思っていたのかはっきり言うとよく分からない。ただ、やらなければ後悔することだけは分かっていた。前にも書いたかもしれないが、やらないで後悔するよりやって後悔したほうがいいタイプなので、それだけでも十分な理由なのだがおそらく自分でどうなるか知りたかったのだろうと思う。でも、今答えを出す必要もないのだが変わらない。自分は、自分であり外からの影響を受けても根本は変わらない。タイなどでも頑固な人か、筋が通った人でないと影響を受けてタイ人化してしまう。これは小さいころの影響が大きいと思うがどうしようもないことなのだと思う。私はあまり変わらないタイプらしい。旅行そのものはたいしたことないが、2~3カ月、日本語を話さなくても平気でいられるし(1年位、全く話さなくても大丈夫かもしれない)、相手が英語しゃべれなくても(東ヨーロッパはドイツ語がメインでした)、英語でどんどん話すすめられるし、頭1つ大きい人でも全く物怖じするということがなかった。これらは新しい発見だった。よく、ブログなどを読むとどちらかで日本人とつるんだりしている人が多い。皆ほっとしているような書き方をしている。私は、見ることが優先なのでそういうことは今のところしていないし、本来の目的でないような気がする。
ウィーンと言えば、ウィンナーコーヒーを勘違いした記憶しかない。皆はどうだったか知らないが、なぜコーヒーにウインナーを入れるのかすごく不思議だった(ウィーンだけではなくこちらの人は濃いめのコーヒーにたっぷりミルクを入れるのが普通です。朝食を見る限りホイップではないようですが)。よくコーヒーで、薄めのをアメリカンなどと言いますが、こちらの人はミルクを入れるため、濃さは同じくらいになると思います。私はもともと濃いめが好きなので(インスタントは薄めが好きですが)ちょうどいいです。たまにエスプレッソ4ドリップやったりします。
着いて思ったのが、ドイツと同じ。ただ、人は明るい(観光客かもしれないが)。街並みは建物は違うが、日本の地方都市と同じ感じがする。妙に安全ぽいせいだろうか。ただ、物は日本より少し高いくらいかと思うが食事は高い。夕方なので暗くなるまでの時間があまりないが、明日が雨らしいので、旧市街(歴史地区)に行ってみた。確かに世界遺産か何かに登録されているだけの街並みではある。プラハと比較しても、日本人観光客にはこちらのほうが良いのではないかと思う(個人的にはプラハをお勧めするが、観光地を回るだけならこちらのほうが楽)。おそらく日本人が想像しているヨーロッパそのものだと思う。ただ、あちこち回ってきた私からすると変わり映えが無いなと思う。国によって屋根のこう配や飾り、窓の装飾や形状が多少違っているが感動するほどの違いはないと思う。ウィーンは石畳が少ないしあまり凝ったデザインでもない。観光客がそこらじゅうにいるので、現地の人がどのような感じなのか全くわからない。
W-1 ステファン大寺院(プラハとデザインが酷似しているが、気味の悪い生物の像は僅かのようだ)
W-2 歴史地区の街並み
W-3 歴史地区周囲の道路の様子(歩行者が安全に歩ける)
9月30日
雨の予報が外れて曇りだったので、シェーンブルン宮殿に行ってみた。良く整備された庭で、ほぼ全員観光客。この後、博物館に行く予定だったので無駄使いしないことと体力温存のため庭だけ回ってみた(それでも4キロは歩きましたが)。絵で出てくるような素晴らしさといったほうがいいのか。美しいと思う。せっかくなので観光客が行かない南のほうまで行こうとしたがどうも政府の施設になるようで行けなかった。その境でリスが近寄ってくる。しかも何度も。おそらく近所の人が餌付けしているのだろう。ヨーロッパに来てから人を恐れない動物を散々見てきた。日本もだいぶそれに近くなってきていると思うが人が良くないとこうはならないと思う。
次は大好きな技術系の博物館。こちらでは産業博物館というらしい。物理、電気、電磁、などの基礎的なことが、物を見て実際体験できるようになっている。こういう展示ができることは素晴らしいと思う。ただ実際この国の子供がそれを素晴らしいことであると思っているかどうかは別だが。動力から、プレス、発電などの展示が詳しくしてあり、学習をメインに考えてあると思う。この後、義手・義足、電化製品、車、電車など一連の展示の後に楽器関連があった。私は、そういったものに疎いが好きな人にはたまらないと思う。
ほぼ5時間立ちっぱなし歩きっぱなしで、やはり疲れてしまったが、時間はあるので北西方向にトラムで向かってみた。やはり歴史地区周辺以外は他国とそう変わらない。また、観光客が全くいない地区になるとやはり、服装などがかなり地味になり概ねドイツとハンガリーの間くらいの感じになる。経済的にそんなには良くないのかもしれないなと思う。乞食同然の人もちらほら見かけるし、たまたま地下鉄で横に座られてしまって、途中で席を立ってしまった。においとかは無かったのだが、挙動不審で気味が悪くなったためだ。
W-4 シェーンブルン宮殿 中庭 南に向かって
W-5 シェーンブルン宮殿 南側の丘から街を望んで
W-6 シェーンブルン宮殿 南の丘にある建物
W-7 石像の顔が?(初め落書きかと思った)
W-8 ささやかないたずら
W-9 蒸気機関車の機関部断面
W-10 ジェネレータ(地下部分も見られます)
W-11 バイオリン製作現場の再現
W-12 溶鉱炉(写真だと小さいですが高さ10m位あります)
10月1日
やっと10月になったといったほうが良いと思う。はっきり言って、旅だけで過ごすには結構長いと感じている。一番そう思う理由は、何を見ても感動が半減している。おそらく、たまの休みで見ると感動するのだろうけど、こう立て続けに世界の遺産や、世界的有名な博物館などを見ていると感覚がマヒしていく。おそらく素晴らしいものを見ているはずだと思いながら観ている。さらに目的のひとつだったその国そのもの(どちらかというと住んでいる人)を見てみたいという気持ちもあまりなくなってきてしまっている。慣れとは恐ろしいものだとつくづく思う。なるほど、ただ、移動することが目的になってしまっている人や、気に入った国に沈没する人が出るのも当然だ。時間とお金の続く限り日本のパスポートなら世界中回ることができるから。
それはさておき、自然史博物館へ行こうとしたらちょっと勘違いして休館だった。美術史博物館と休みを勘違いしていたらしい。せっかくなのでそれほど興味はないものの美術史博物館にいってみた。金系の美術品が多いのと展示品が結構多いように感じた。ウィーンは、何かに特化した展示よりも広く浅い展示をしていると思う。美術品もいいが、建物そのものも素晴らしいと感じた。あと、500年くらいたったら、建物にも価値が出る(今でもあると思うが)のではないだろうか。いずれにしても、歴史地区の主要な建物はおそらくどれもすでに相当の価値がある物ばかりだと思う。戦争で、無くならなかったのは幸いだと思う。ベルリンや、ワルシャワでは戦争後の写真をいくつか見たが、確かにひどい状況ではあっても、レンガ造りのため壁など建物の一部がまだ残っていた。日本の東京はどうだったか。幼いころの記憶をたどると、写真などでは確か何も無かったはずだ。木造ということもあり、すべて燃えてしまったのだろう。ベルリンやワルシャワの状況を酷いというなら、東京はなんといえばいいのだろうか。あの状況から復興できたことを誇りに思っていいと思う。
W-13 展示室の雰囲気
W-14 金の水差し(だと思う)
W-15 彫刻の展示(独特の展示方法だと思う)
W-16 博物館入り口を入ったところ